夢だらけのJKから腫瘍が見つかり入院生活へ

笑顔

その日は私の様子を見て予定は立てず、家に帰ることになった。
それでも、近く入院して腫瘍の削除をしなければならない事をお医者さんから言われた。帰りの車の中。


「ねぇお母さん…私よくわからないけど、文化祭の後なら良いよ。駄目かな」


気分的に後部座席に乗っていた私は、運転中の母に言った。時間が経つにつれて私の心の中は、何故か楽観的になりどうにかなるだろうと言う考えに変わっていった。
今一番の文化祭の劇をやり遂げたら、手術をしようと未知の事だけれど、前向きに進もうと思えてきた。

 何も言わない母が気になり、ミラーを覗いてみたら母は泣いていた。

 私はその時、出来るだけ明るく笑顔で居ようと決めた。暗い顔をしても仕方ないし、自分が笑顔だと周りもきっと笑顔になるだろうと思った。

 病気になったら仕方ない、先生も確か取り除いたら大丈夫って言ってたし、入院なんてした事無いから楽しいかもしれないしね。


「お母さん、文化祭の後入院するから迷惑かけると思うけど宜しくお願いね」


私は明るく語り掛けた。


「そうね…文化祭頑張りなさい」


それからは、病気の話題には出来るだけ触れてはいない。文化祭迄残り1ヶ月半、私は勉強に部活に精一杯頑張っている。

 多分だけど、先生達は知ってるようだ。視線がそんな感じだから。この後、長い間休む事になるし仕方ないか。

 入院も決まったようだ、文化祭の5日後。手術の日程も聞いては無いけど決まっているみたいだ。

 父や母も優しくなり、東京に就職した兄からも連絡があり、色々話した。たわいのない事ばかり。相変わらずモテモテみたいで、彼女の人数や週末には何時もテーマパークで遊んでいる事を自慢していた。嫌な奴だ。でも最後に治ったら私を連れて行ってくれる、と言う約束をしてくれた。


「その約束絶対果たしてもらうよお兄ちゃん」


っと笑いながら携帯を切ることができた。良かった少しだけ不覚にも泣いてしまったが、多分声は普通だったから気づかれては無いと思う。ポロポロ溢れる涙を拭って笑顔になる。
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