「話がそれちゃったけど、呼び出したのはさ、貴方この国の生態系調べてたよね。人魚は居たの?」


ガルディンはノアの話を聞いて目を閉じ、草の絨毯に寝転んだ。


「ノアからの呼び出しで喜んで来てみれば人魚ねぇーまあいいが。
確か何年か前に国の近辺で、漁獲量や珍しい品種の魚が獲れてたって聞いたな。一時期だったから、居たとは思うが移動したんじゃ無いのか?
人魚は珍しいが全くいないわけでは無いからな。住み着いたら漁業関係者は喜ぶだろうな」

「だよね。人魚の能力が開花したら、海辺でしか生活できなくなるから、大変そうだよね~でもさぁあれって陸ではなく海オンリーでは生活出来ないの?」

「うーん。詳しく調べてないからよく分からないが、個体差では無いのか?他の獣人達でも個々で得意不得意あるだろう。海中だけの奴も居るだろうな。現に他国へと行く船からの情報で、群れを見たとの報告もあるぞ。一般には発表していないがな」


ノアもガルディンの横に寝転び空を眺めながら聞く。この場所は少し高台になっており、騎士団の敷地内にあるのだが、見晴らしも良く内緒話をするにはもってこいの場所である。


「人魚は謎が多いと言われてるよね。もしさぁこれから此処に居着くとすると、どう?」

「どうもなにも、自由だよな。さっきも言ったように漁業関係者が喜ぶな。あーつがいや、決まった相手が居ないのなら貴族連中が、喜ぶんじゃ無いのか」

「人魚は美形が多いからね」

「そういう事だ。で、私は何をすればいいんだ?」

「人魚ちゃんのつがいは、うちの副団長だからね。自分で護るでしょう。でも何か手伝いたいのなら、人魚は不可思議過ぎるから、皆んなの気になるって心情を消してくれるかな」

「わかった、人魚の情報を流しとくよ。私にご褒美は無いのか?」


ガルディンは目を開き、クルリと向きを変え身軽にノアの上に、逃げられない様に覆い被さった。


「ノアもう逃げないでくれ。逃げたとしても私は、ノア以外を娶るつもりも無いし時間の無駄だ。私の伴侶になって、一緒に兄上を助けてくれないか。
時期皇帝は兄上しかいないんだ、あの度量の広さと安心感は私には無いものだからな。私はチョロチョロ陰で動き回ってるのが楽しいんだよ。ノアも暗躍好きだろ、適材適所が一番落ち着くんだよ。と、いう事でノアは私の嫁さんだ。良いな」

「ガルディン………….…うん….はい…………好き」


(私はどうしたというのか?あれだけ避けていた話題に何故か素直に応えてしまった。目の前にずっと好きな人が居て、逃げられない様にして本気で告白されたからか。話もすり替えられなかったし、妙な気迫で追い詰められてしまった。
皇后様苦手なのに対峙しなければならなくなったな。心を決めるか)


ノアは長く想い続けた人と結ばれ幸せな筈なのに、不安や問題が山盛りな為笑顔に曇りが滲んでいる。ノアはガルディンを、押しやり立ち上がった。


「さぁ~人魚ちゃんの所に行きますか。じゃあガルディン又ね。ご褒美は……」



初めてのノアからのキスをご褒美に。

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