私の彼は魔王様
転校生
『わぁぁぁっ!!!』

どたっ、ガターン。


『いったー』

またベッドから落ちたみたい。お尻が痛い。


いつもの夢だ。

あの男の子の。あたしはぼーっとしながら周りを見渡した。見慣れたアパートの一室。

時計を見る。


『ひゃっ!遅刻する!』

あたしの通ってる桜坂高校は遅刻すると罰として反省文10枚の刑なのだ。


あわてて洗面所に行き歯と顔を洗う。そして自分の顔を見る。

髪の毛は緩い天パのせいでぼさぼさ、目は奥二重、スタイルも人並み。これじゃ彼氏も当分できっこないな。

ため息をひとつついてあたしは学校まで猛烈な速さで自転車をとばした。
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