With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
「でもさ。」


その日の帰り道、1年生4人で、校門に向かっていると


「明日で部活入部期間は取り敢えず終了だろ?となると、野球部の新入部員は俺達4人だけってこと?」


と白鳥くんが言い出す。


「そういうことになりそうだな。」


松本くんはそう言って頷く。


「それってヤバくない?木本さんはマネージャーだし、そしたら選手は3人だけってことだろ。今は上級生がいるからいいけど、このままじゃ俺達が3年になる頃には、野球部は存亡の危機ってことになるぜ。」


「そうだよ・・・ね。」


今までマネージャーのことばかり考えていたけど、言われてみればその通りだ。


「大宮は結局あれっきりだし、今日来てた謎の男も消えちゃったし、確かにまずい。」


焦ったように松本くんは言う。


「でも明日もう1日あるし、迷ってる連中がきっと何人か入ってくるよ。」


久保くんは楽観的に言うけど


「いや、入るなら普通もう入ってるだろ。高校の野球部なんて、未経験者が入って来ることなんて、あんまり考えられないし、やる気のある経験者なら、躊躇わずに飛び込んで来るだろ。俺達みたいに。」


という白鳥くんの言葉の方が、やはり説得力がある。


「誰か知り合いに野球経験者いないか?」


という松本くんの言葉に、全員が首を振る。


「取り敢えず、大宮康浩をもう1回誘うか?」


その白鳥くんの言葉に、今度はみんなが私の顔を見る。


「私は反対しないよ。でも申し訳ないけど、私は彼に頭を下げに行くのは嫌だからね。」


私は率直に言う。


「今日来てたその謎の男って、見覚えないの?だって、ミッチャンが入部希望かって聞いたら、一応そうだって、言ったんでしょ?」


「うん。」


「顔見ればわかる?」


「たぶん。」


「ああ。」


久保くんの問いに、私と松本くんは頷く。


「じゃ明日、二手に別れよう。俺と創は大宮に当たる。松本と木本さんは、そいつを探してみてくれよ。なんと言っても、そいつの顔を知ってるのは、君達2人だけなんだから。」


という白鳥くんの提案に


「そうしよう、それしかないよね。」


と私達は頷いた。
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