With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
部活中心の高校生活が始まって、あっという間に1ヶ月が過ぎた。GWも私達野球部は連日練習。


5月の声を聞くと、日差しはもう夏を思わせる日が続き、ポリタンクの回転のスピ-ドが一段と早くなり、私は日焼け止めが必須アイテムになってしまった。


今の私達の目標は、7月の上旬に始まる県大会。夏の甲子園大会出場権をかけたト-ナメント戦。


各都道府県につき、たった1枚ずつしかない甲子園への切符を手にする為の文字通りのサドンデスの戦いを勝ち抜く為に、私達は練習に励む。


そして、GWも後半になったこの日。私達1年生が入部してから、初めての対外試合が組まれた。


相手の千葉県桜ヶ丘高校は、何度も甲子園に出場している強豪校。桜ヶ丘高の監督とウチの石原監督が、大学時代の同期で、その関係で、定期的に練習試合を行っているそう。


前回はこちらが出向いたので、今回は迎える立場。


バスから降り立った選手達は、強豪校らしく、みんな精悍な顔つきで、また人数もウチより、全然多い。女子マネも4人いる。羨ましいな・・・。


この日、私は朝から準備に追われた。練習では使わないベンチやヘルメット置きやバットケース等、用意するものが、普段より全然多いし、こちらがホスト校なので、相手チームの分の用意もある。


試合には審判が必要なのだが、この手配がマネージャーの仕事とは思わなかった。いつもお願いしている方々のリストがあって、事前に私が監督から教わって、電話してお願いした。


その方たちをお迎えし、お茶を出したり、帰りに謝礼金をお渡しするのも、マネージャー。


そして試合が始まれば
・試合経過を記録するスコア付け。
・得点やボールカウントを掲示するスコアボードの操作
・場内アナウンス(「1番、バッター○○くん。」っていう、あれです。)
などなど。


・・・ごめんなさい、いくらなんでもひとりじゃ無理です。


備品準備は1、2年生の部員が一緒に、場内アナウンスは放送部の人たちが応援に来てくれた。


そして、スコアボード操作はなんと相手校のマネージャーさん達がやってくれた。


「大丈夫。明協さんは、ずっとマネージャーさんがいなかったから、これまでもお手伝いしてたんで、気にしないでね。」


あちらの3年生のチーフマネージャーさんに笑顔で、そう言っていただき、私は思わず深々とお辞儀をしていた。
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