俺様天然男子
彼氏の部屋
【理音】



雛森を初めて家に呼んだ。



昨日、バイト前の午前中に掃除機かけたり、布団干して、シーツ洗濯したり。



超頑張って部屋の掃除をした。



「ふわぁ…」

「嵐生たちもその反応だった」

「大っきい…。どこからどこまでが理音くんち…?」



ここからここまでだよ。



敷地内別居って感じなのかな、うちって。



大きな家が3軒並んでいて、連絡通路で行き来できるようになってる祖父母の家。



「そういえば、じーちゃんも歌手なんだよね」

「そうなの⁉︎」

「うん、今は基本的に裏方」

「すごい…」

「はい、いらっしゃい」

「お、お邪魔します…」



緊張してるのかな。



瞬きがいつもより多い雛森に、スリッパを出してまずはリビング。




「初めましてっ‼︎理音のオヤジです‼︎」

「うぁっ、わわわわっ‼︎う、ウタっ‼︎さんっ‼︎理音くんっ‼︎有名な人がいるよぉ‼︎」



今日は父さんがいる。



仕事疲れでダラダラしてた父さんに『彼女来るから』と言った瞬間、着ていたスエットを脱ぎ捨てて着替えて。



さらに髪をセットし始めて。



終始ニヤニヤしてる父さんを、初めてウザいと思った。



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