俺様天然男子
キャパオーバー
【理音】



なぜか、ラーメン食いにいくことになった。



山口くんは、あれから俺によく話しかけてきて、最近毎日のように一緒に昼メシを食ってる。



母さんの作ったミニハンバーグ狙いだということはわかっている。



「お前の母ちゃんって、絶対料理上手だよな。彩りとか、女子高生かっつーの」

「喜ぶよ、たぶん」

「でさぁ、スタジオ行きてぇんだけど」

「来れば?」

「金がねぇんだよぉ〜…。バイトもしてねぇし、さすがに毎回はキツい…」

「軽音部に入れば練習し放題」

「俺をあんな趣味部と一緒にしてもらっちゃ困るね。プロになる男だぜ?」

「弦も張り替えられないのにね…」

「言わんでくれ、キズが増える…」



どうやら、俺と話すのは楽しいらしい。



前に来た、他のふたりは別のクラスで、中学の同級生のようだ。



挨拶程度で、話したことはほとんどない。




俺はひたすら、俺の席に来る山口くんと話すだけ。



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