裏切り
4章・・気づく・・

勝手に


俺と梓は、
梓の熱烈な告白の嵐に
負けて付き合いを始めた。

俺は、仕事が忙しく
彼女と別れたばかりだったから
当分は、要らないと
思っていたが
毎日、毎日
進藤さん、進藤さんと
目をキラキラさせて来られると·······

結婚も押しきられる形で
入籍をし
披露宴を兼ねた
パーティーを行った。

同僚や看護師から
嵌められたね
と、口々に言われたが
俺自身も決めたことだから
と、思って
その言葉の意味を
深く考えなかった。


結婚生活は
それなりに順調だった。

付き合って行くうちに
梓の我が儘さえも
可愛いと思えるようになっていた。

梓は、夜勤もあるが
家事も出きることは
やってくれていた。

料理はあまり
得意ではないようだが、
俺は作ってくれるものは
きちんと食べた。

そんな毎日を送る中
梓が今の病院を辞めて
違う病院にうつりたいと
言い出した。

俺も、今の職場にいるのだから
変な辞めかたをされては
困ると思っていたが
梓は、そんなこと知らないと
言わんばかりで。
言い合いになることもしばしば

だが梓は、あきらめることなく
俺に言わずに辞めてしまった。

梓のいた病棟の師長から
嫌みを言われ
初めは、何を言われてるのか
分からずにいると
師長もびっくりしていて
回りからは、同情されるようになった。

帰宅して、梓を問い詰めるが
「もう、辞めて新しいところで
頑張っているのだから
良いでしょう。
あ~、でも、黙っていて
ごめんなさい。」
と、口では謝るが
本当に悪いと思ってはいないだろう
師長や事務方から
俺がなんと言われてるのかも
考えていない。
はぁっ·······

梓は、今の病院の話や
先生がカッコいいとか
ずっと、一人で話してる

好きにしろと
思いながら
俺は席を立ちお風呂へ
「あっ、翼君
話し途中だよ。
ちゃんと聞いてよ。」
「汗かいたから風呂に入る。」
「もぅ、美紀に聞いて貰おう」
と、友達に電話をしている。

25になっても
友達ときゃーっ、きゃーっ、
言いながら話をしている
梓に呆れながら
若いなぁと複雑な気持ちを
抱いていた。
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