瑞樹から遠回しな告白の様な事をされても、一夜明ければいつも通りお仕事が待っている。

パソコンの電源を入れてパスワードを打ち、社内メールの確認が終わったら変わりない一日は始まる。

はずだった。

「柴山ちゃん、また呼んでるわよ?この前みんなの前で痴話げんかまで見せといて…どういう神経してるのかしら?」

先輩の指す方向を見てみれば……ああ、やっぱり中条さん。

「こんにちは、中条さん。今日はどうしたんですか?」

ちゃんと仕事用のスマイルで挨拶をする。これ以上距離を詰められたくない。

「透子ちゃん、コレ。凄く透子ちゃんに似合う色だったからプレゼント。」

中条さんの手には綺麗なブルーのアロマキャンドル。

うん、アタシはブルーが良く似合うって言われる。好きなのはピンクだけど隠してる。

でも、これは貰えない。だってアタシ一人のためにだから。

「ごめんなさい、中条さん。今までは皆にだったので受け取っていました。でも、アタシ一人のためにと中条さんが思われているのならば……アタシは受け取る事が出来ません。」

ペコリと頭を下げて中条さんの返事を待つ。

中条さんはアタシに何も言ってこない。アタシが顔を上げると中条さんは赤い顔をして拳を震わせていた。

「ちょっと綺麗なくらいで、俺に恥かかせやがって…!」

振り上げられた右手に驚いて、アタシは逃げることも出来なかった。