美術室のユーレイ
高校1年、渡辺 舞空です!



6時間目の眠たくなるような社会の授業が終わって今は放課後。


「舞空 マソラちゃん!きょうも美術部行くの?」


体をクルっと捻らせ後ろの席の私に話しかけてきたのは 山下 結杏 ヤマシタユズ。


寝ていたのだろう、あくびをし、目をこすっている。


「うん!行くよー」


結杏とは入学したとき席が前後で、話す機会が多かった。


それもあってか今ではクラスで1番話す仲になっている。


高校での「友達ができるのか」っていう1番の不安は結杏によってかき消された。



結杏は顔は小さくて目はクリクリしていて小動物みたいでとにかく可愛いの!


柔らかくて優しくて女の子らしい女の子って感じ。




「あんな部活やめちゃいなよ」




言動がキツくなければ。


「えーやめないよ」


結杏の「女の子らしい女の子」は雰囲気だけでとどまり、実際は言いたいことはズバッと言うし、6時間目の授業も寝ていたみたいだし、意外とサバサバで不真面目なところもある。


まぁそんな結杏も全部ひっくるめて私は好きだけどね。


< 1 / 267 >

この作品をシェア

pagetop