東京血風録3 キラーズ・コード【改編版】

不可思議

御業の結界
円状に置かれている岩は神石である。
直径10メートル近くになるその輪からは、上方へドーム型になる様に磁場が出来ている。無論、神石によるものだ。
その結結界内では、魍魎や霊などは力を抑えられ、陰陽師や術師は力を増加させる。
人に依る人の為の決戦場である。


その中に、5人。
多少の狭さも感じるが、動き回ることも可能である。


摂津は軽く呻き声をあげると、力を解放した。
その刹那、空気が揺らいだ。気がした。
前にいる3人、遥、飛鳥、柊一は頬がそば立った感じがした。その後方の真琴は鳥肌が立った。


御業の結界の効果により、力は半減しているだろうに、何という力の放出であろうか。

摂津のシャツが破れ、上半身が露わになった。その腕は左右3本ずつ、計6本突き出ていた。シャツは内側から弾き破られたのだ。
瞬間!
全部の腕が伸びて襲ってきた!


その時すでに、遥の姿は柊一の作った護符六芒星陣の真ん中に立っていた。
護符六芒星陣には、力を増幅させる作用があった。
結界内での増幅と六芒星陣での増幅、更に伊號丸との力で、遥は最高潮だった。


向かってくる腕をすり抜け、摂津の胸元めがけ渾身の突きを放っていた。
伊號丸の、何か違う!という叫び声をききながら…。



< 15 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop