あの空に手を伸ばして
守りたい



「おっはー!!」

「おはよ」

新学期がはじまった。

相変わらず香水のにおいとたばこのにおいが入り混じった嫌なにおい。

それにふとみれば、この夏休みで大変身を遂げた地味だった子たち。


やっぱり、この学校でまともなのはもうわたしだけなのかもしれない。

そう思ったときにサクの顔がよぎった。


前まではサクの笑った顔ばっかり思い出せていたのに、今は最後の悲しい顔しか思い出せない。


ホームルームがおわり、わたしは屋上へと向かった。
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