悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
「私も読んでいいんですか?」
「何もしないで隣にいるのも退屈でしょ。あのあたりに、子供向けの絵本もあったはずよ。時間つぶしくらいにはなると思うの」
「うわぁ……」

 ソニアは目を輝かせた。こんなにもキラキラした目をされると、そこまで喜ばれることをしたのかという気がしてくる。

「いいこと? 面白かったとしても、大声をあげて笑うのはだめ。ここは、勉強や調べものをするための場所ですからね」
「お嬢様は、何のためにここに?」
「私は勉強と調べものよ。さあ、時間になるまでおとなしくしてて」

 他にやらねばならないことがたくさんあるので、ここを使うことができるのは午後のお茶の時間までだ。あと数時間しかない。

「……まずは歴史」

 この国の成り立ちから、貴族達の勢力関係を見直さなければ。

(前世では、宝石やファッションにしか興味なかったものね……)

 あまりにも偏った知識しか持っていないから、前世の知識は、今回はほとんど役に立たないといってもいい。
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