悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~
 レオンティーナの名で、寄付金集めのためのバザーを開き、その収益をソニアの育った養護施設をはじめ、数か所に寄付するつもりだった。
 ヴィルヘルムが襲撃されてから、三日後。レオンティーナはソニアの様子がおかしいのに目ざとく気が付いた。

(最近、ソニアは疲れている……みたい……?)

 ソニアは、レオンティーナに忠誠を誓っているが、レオンティーナだってソニアのことはしっかりと見ている。
 顔色が悪いし、どこか上の空だ。

「ソニア、私が持ってきてほしいと言ったのは、レモンのアイシングをかけたクッキーだったのだけど?」

 頭を使ったから、甘いクッキーで休憩しようと思っていたのに、ソニアが運んできたのは、ドライフルーツを練りこんだクッキーだった。
 それも嫌いではないが、今の気分ではない。

「も、申し訳ございません、お嬢様!」

 頭を下げたソニアが、立ち眩みをおこしたかのように身体を揺らした。倒れこみそうになるのを、慌ててレオンティーナは抱きとめる。
 側のソファに座らせてから、レオンティーナはソニアの目を覗き込んだ。

「あなた、おかしいわよ。何があったの」
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