~fault~私だけが・・・

高校生の私の恋

うしろでふたりの言い合いがかすかに耳に届く。
「男だぞ」って言った匠。
確かに匠の言う通り、私は男の中で分け隔てなく?男の様に育てられて来たので、自分でも女よりは男に近い気がしているし、そうなんだと思う。

ホント家庭環境を、恨むよ。

でもあの日、ゲーセンで匠に「もっとマシなウソをつけ」って言われて決めたんだ。

少し前からある人に、よく声を掛けられていた。
その人は3才年上の21才の大学生だった
3ヶ月前に、初めて通学途中の電車で声を掛けられた。

一緒の時間に乗るらしく、それから会う度に話しはしていた。
高校の先輩でもあった。

背も高くてスタイルもよく頭も良さそうでとにかくカッコ良かった。
かなりパーフェクト。
自慢ではないのだが、育った環境で私の男を見る目は友達のお墨付き。
その私が認める程の人ではあった。

「あはは」って笑うと可愛くて(笑)
すご~く優しくて一緒にいると本当に楽しかった。

毎朝の電車だけの会話だったのが、学校帰りに会うようにもなって
時間が合えば休みの日にも一緒に図書館やカラオケにも行くようになった。
理工学科の彼に勉強を教えてもらったりランチを一緒に食べたり・・・
あっという間に私は彼に惹かれていくのを感じていた。

声を掛けられてから1ヶ月が経った頃「付き合ってほしい」と言われて嬉しかったけど
すぐに返事をすることが出来ないでいた時にあの匠との言い合い。
あの言い合いがきっかけで付き合う事を決めた。
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