シンフォニー ~樹
7

絵里加達が グアムに行く前に 樹と翔も 健吾の家族に会った。

樹達は、絵里加のバレエ公演に行かなかったので 健吾の家族とは初対面だった。


休日、家族での外食に お祖父様が 健吾の家族を誘った。
 

「健吾から、廣澤さんの家族は、とても仲が良いと聞いています。私達にも声をかけて頂いて、本当に嬉しいです。」

と言う健吾のお父さんは 樹の父に似た 大らかな明るい雰囲気の人だった。
 

「こちらこそ、来て頂いて嬉しいです。お住まいも近いことだし これからもお誘いさせて下さい。」

お祖父様は 絵里加のために、両家を自然に近付けようとしていた。


その日も 絵里加は、甘い幸せにキラキラと輝いていた。

花のように 可憐な笑顔を周囲に向けて、みんなに気を配る。


健吾と見つめ合っては、恥ずかしそうに微笑む。

目を逸らしても 自然と目に入ってしまう。
 

自嘲気味に顔を上げると、絵里加に 憧れの視線を向けている 健吾の妹が見えた。


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