如月くんは私をひとりじめしたい

「おかえりー。ギリギリだね」

「ま、まぁ…」

「どんだけ如月といちゃついてきたんだよ」

「そんなんじゃないから!!」


いちゃつくとかそんな可愛いことじゃない!!

だって、さっきのは完全にヤンデレの如月くんだったし。

私、それを相手にしてきたんだよ!

されるがままに拘束されて、キスされて。

普通にキスした方が何倍もドキドキするの!

…最後の不意打ちのはさすがにドキッとしちゃったよ。

普通の如月くんだったし、何より触れるだけのキスだったし。


「おーい。安藤さん?」

「あ、うん」

「そんな刺激的でしたか。気になりますねぇ」

「だから違うって!」


もう、有村さんのせいですっごく恥ずかしくなってきたんだけど。

東雲くんの方を見ると、まだテンションが暗いままだった。

あのとき、如月くんと何のその話をしてたんだろう。

どうやら秘密のお話だったみたいだし、私が詮索しない方がいいよね。

東雲くんとは友達でいたいもん。
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