如月くんは私をひとりじめしたい
「僕は誰かに愛してほしくて、愛したくて恋をした。でも、愛されたことがない僕は愛し方が分からなかったんだ」
切実な心の声だと思った。
なるほど、それでヤンデレになったと。
「彼女のことが好きすぎるあまり、どうしてもいきすぎてしまう僕を受け入れてくれる人はいなかった。それどころか拒絶された」
如月くんの瞳から雫がこぼれた。
それは美しくて触れたら消えてなくなりそうなくらい綺麗だった。
「いつになったら僕を愛してくれるのか。きちんと愛せるのか分からなくて怖かった。僕はずっと独りだったんだ」
私はそんなことないよと伝えるかのようにさらにぎゅっと抱き締めた。
このまま如月くんがどこかに行ってしまいそうで怖くて。
「でも、小春ちゃんと出会えた。小春ちゃんはいつもこじんまりとしてるけど、笑ったときの笑顔が太陽より明るくて僕を照らした」