ぜんぜん足りない。
そんなの知らない。

.


.


なんていうか、わたしって考え足らずだなと思う。

律希が泊めてくれって言うから、一晩だけのつもりで泊めた。

なんで急に帰ってきたのかとか、一晩泊まったあとはどうするんだろうとか、チラッと頭をよぎったりはしたけど、これから毎日顔を合わせなきゃいけなくなるなんて、まさか、まさか。




「なっ……んでまだいるの?」


それはそれはヘンな顔をしていたと思う。


こおりくんと夜を過ごして、朝はいったん家に帰ることはしないで登校した。
そしていつも通りの学校生活を過ごして帰ってきた、んだけど。


リビングからテレビの音が聞こえてきて、おかしいなとは思ったんだ。

嫌な予感がして覗いてみれば、ソファにもたれかかってくつろいでる律希がいた。


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