溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。

こんなの、拷問です。

翌朝。


「うーーーん、よく寝たあ~~」


可愛らしいベッドの上で、私は大きく伸びをした。


ふかふかのベッドのおかげで、初めての場所という緊張もなくぐっすり眠れたけど。


「あ……」


そうだ、ここは永瀬くんの家だった……。


彼の存在を思い出し、ずーんと胸が重くなる。


そーっとドアを開けて廊下に誰もいないのを確認すると、さっと洗面台で顔を洗い、また飛び跳ねるように部屋に戻った。


「ふー」


これから私、毎日忍者みたいに行動しなきゃいけないのかな?


髪の毛を整えて制服に着替えて下に降りると、香織さんはキッチンに立っていた。


「おはようございます」


「おはよう。よく眠れた?」


「はい、おかげさまでぐっすりと。あ、私も手伝います!」


棚から食器を出そうとしていた香織さんに、手をのばす。
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