春休み中、私は愛由美ちゃんの家に遊びに行き、さりげなく愛由美ちゃんの通う学校の事を聞き出した。その時に、それまでの理玖との経緯も話をして理玖への思いを諦める事を話した。

 愛由美ちゃんは私が理玖の事が大好きで、理玖の後を追いかけて今の学校を受験した事を知っている。
 だからまさか私が理玖の事を諦めるなんて思ってもみなかったのか、かなりの衝撃を受けていた。

 でも、私の話を聞いて、愛由美ちゃんも複雑な表情を浮かべている。

「私としては、学年は違えど史那ちゃんが同じ学校にいるのは凄く嬉しいよ。
 実際には私が高等部に進級してからになるから一年後の話にはなるけど……。

 でも、本当に史那ちゃんはそれでいいの?
 理玖くんに一言でも相談しなくていいの?」

 愛由美ちゃんの言葉に私は言葉が詰まり何も言えなくなる。

 仮に相談したところで、理玖の事だ。
 良くて『好きにすればいい』って言われるのがオチだ。
 最悪の場合、またやれやれと言われてしまうかも知れない。

 どちらにせよ、これ以上、しんどい思いをしたくない。きっとそう簡単に理玖の事を諦めるなんて無理なのは自分自身が一番よく分かっている。
 少し、理玖と距離を置けばいいんだ。

 幸い、来月からは理玖も高等部への進学で、通学は別々になるのだから。