春休みに愛由美ちゃんに、自分の胸の内を明かし、愛由美ちゃんも智賀子小母さんや私の母に口外する事なく、私達は進級した。

 この一年、二学期の期末テストの結果で高等部進級への足切りがある。
 私の成績がなかなか振るわない事は、両親も知っている。
 一学期の個人懇談は三者面談で、母は学校に呼び出された。そこで、私の成績を改めて先生から説明され、母は私の意思を尊重すると言ってくれた。

 三者面談のあった日の夜、果穂は今井の祖父母宅へお泊まりでいない中、私はダイニングで両親と改めて話をする事となった。

「……史那が頑張って中学受験をしたから、父さんも黙って見守っていたけど。
 今日、母さんからも話を聞いて、史那がどうしたいかを父さんは知りたい」

 テレビも消して静まった部屋に、壁にかけられたアナログの時計の針の音と、父の声が響いている。

 父は私の進路に関して口を出した事はない。それは母も同様で、二人とも私の意思をいつだって尊重してくれている。
 だからこその、この時間だ。
 私もそれを分かっているから、両親に誤魔化したりはしない。