「……もう、俺以外にそんな白い肌を晒すな」

 理玖はそう言うと、カーディガンを私の肩にかけて露出部分を隠そうとする。
 その腕が私の肩に触れた。

「……不健康に見えてごめんね」

 ヒョロヒョロと背丈だけ伸びて肌色も白いから、あまり丈夫に見えなかったのかも知れない。
 確かにバス路線一区間だけのダッシュでこんな事になってしまったから反論は出来ない。

「昔は一緒に外で水遊びとかしてたのに……。
 いつの間にか変わってしまうんだな」

 理玖がしみじみと呟く。
 理玖の両手はまだ私の肩に触れたままだ。

『理玖だって変わったよ』と、口に出して言いたい所をグッと我慢する。
 口を挟んだ所で、理玖は相手にしてくれないだろうから。

 そして……。

 気が付けば、理玖の顔が近付いて……。

 私の唇に、理玖の唇が触れた。

 お互い何が起こったのか理解出来なくて、私はただ固まって理玖を見つめていた。

 理玖は我に返ると私の肩に触れていた手を離し、飛び出す様に部屋を後にすると、母に帰宅の意思を伝えて家を後にした。

 残された私は、今起こった出来事を理解出来ずに部屋の中で立ち尽くしていた。