青春ヒロイズム
3.100%、修復不可能


「それでは、今から各班に分かれて準備にとりかかってください」

学年主任の号令を合図に、生徒たちがグループごとにそれぞれ散らばっていく。

周りからどんどん人がいなくなっていくのを見つめながら、ため息をこぼしたいくらい憂鬱な気持ちになった。


今日は新学期始まって初の学年行事、春の遠足だ。

行き先は、学校からバスで一時間ほど揺られた場所にある山。

ハイキングをしたあとに、そこの中腹にあるキャンプ場でグループごとにバーベキューをしてクラス内の親睦を深める。

それがこの遠足の目的なのだそうだ。


新しい学校に編入してきて、新学期が始まって数週間経つ。

挨拶を交わしたり短い会話をするクラスメートはいて、村田さんも一日一回は親しげに話しかけてくれるけど、とりわけ仲の良い友達もいない。

そんな状況の中、お母さんを心配させないためだけに出席した遠足は気が重いだけで全く楽しくなかった。

それに、親しい友達同士でお喋りしながら山を登る生徒たちをひとりだけ無言で登るのも結構虚しかった。

さらにそのうえ運の悪いことに、クラスの親睦目的で出席番号順にわけられたバーベキューのグループが星野くんと一緒なのだ。



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