エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
第六章 突き放せない愛
最初に行った血液検査は、疲労がたまっていたせいか、ひどい結果を叩き出してしまった。

貧血はもちろん、白血球の数まで増えていたそうだ。

疲れているとこんな症状まで出るのかと、過労の恐ろしさを身に染みて感じた。

貧血の薬を飲みながら、身体を休めること一カ月。

今日は再検査の日。須皇総合病院、三度目の心臓血管センター外来だ。

この日、透佳くんも立ち会ってくれる予定だったのだけれど、急患の対応に手一杯になってしまったそうで、沢渡先生に一任すると連絡があった。

とはいえ、今日は軽い問診と血液検査のみ。検査の結果が出るのは来週だ。

今日の沢渡先生の仕事といえば、カルテにメモを取る程度。

だからこそ透佳くんは抵抗なく先生に任せたのだろう。

診察室に入ると、沢渡先生は「どうも」と気だるく挨拶して、診察椅子の上にふんぞり返った。

やっぱり沢渡先生は、透佳くんがいないとどことなく態度がふてぶてしい……。

他の患者さんにもこんな感じなのかな? それとも私だけ?

姉である美沙さんが心配するのもちょっぴりわかる。
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