『初めまして、松下一花と申します』


お母様、とても綺麗な方だ。


きっと、絢斗は、お母さん似なんだな。


『本当に、今日はお会い出来て良かったわ。一花さん…とても素敵なお名前ね』


『ありがとうございます』


そう言えば、絢斗も、私の名前を褒めてくれたことがあったな…


あの時は、すごく嬉しかった。


私達は、お母様が好きだと言う、和風の茶屋で会った。


お金持ちの嫌味な感じや、怖い感じは全然無くて、物腰の柔らかい、とても素敵なご婦人で、ホッとした。


美味しい甘味をいただきながら、お母様も嬉しそうにしてくれて、私の緊張もだんだん溶けていった。


『母さん、一花は、コンシェルジュなんだ。グレースホテル東京の顔として頑張ってくれてる』


そんな…


ホテルの顔だなんて、恥ずかしい。


私は、まだまだ半人前で…


失敗することもあるし。