最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
「まあ、それはすごいわね。コンシェルジュはとても大変なお仕事だものね」


「一花。母さんも昔はコンシェルジュだったんだ」


「え? そうなんですか?」


ちょっと驚いてしまった。


「もう昔のことよ。主人が総支配人を務めるホテルで数年だけね。体があまり強くないものだから、残念だけどリタイアしたの。やりがいのある仕事だけど、本当に大変だものね。私は、主人と結婚してすぐに専業主婦になったのよ」


おしとやかに笑みを浮かべるお母様。


総支配人とコンシェルジュだなんて……


まさに、今の絢斗と私。


何だか不思議な縁を感じた。


もちろん、私達は本当に結婚するわけじゃなく、ただの演技だけど……ね。


「一花さんみたいな素敵な女性と絢斗が結婚してくれたら……私は、思い残すことなんて何もありません。どうか、絢斗を末永くお願いしますね」


大切な息子への思い。


私は、お母様の言葉に深い愛情を感じた。
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