最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
そうなんだ、知らなかった、初めて聞いたよ。


ご両親が旅館を経営してるなんて、すごいな……


「それはとても素敵なお話だよね。茅野君の決意、ご両親はお喜びね」


きっと、茅野君は一生コンシェルジュなんだって、勝手に思ってたからちょっとびっくりしたけど……


「はい。そこそこ大きい旅館なんで、早く帰ってこいって急かされてます。でも、僕はまだまだ『グレースホテル東京』のコンシェルジュとして修行して、いろいろなことを身につけたいんです。それを将来的に旅館で活かしたいって思ってます。だから、まだしばらくは……どうかよろしくお願いします」


私は、茅野君の未来を断然応援したくなった。


前を向いた茅野君は、今、すごくキラキラ輝いててとても素敵だよ。


「こちらこそよろしくね。明日から、また一緒に頑張りましょ。あと、明日は朝イチで病院に行ってからホテルに来ること。これは先輩の命令だよ。山内さんには話しておくから」


「はい、わかりました。本当に……痛みもありませんし、心配しないで下さいね」


茅野君……


本当は痛いよね、なのに……優し過ぎるよ。


心も、腕の傷も……


痛くてつらい思いをさせてごめんね。


私のこと、助けてくれて本当にありがとう。
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