最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
私は、少しだけ考えてから続けた。


「茅野君。今、私、胸がいっぱい。すごく混乱してて上手く何も言ってあげられない。でもね、今日は本当にありがとう。明日からまたホテルに来て下さるお客様のために、一緒に頑張りたいって思ってるよ」


絢斗のことが好きだとも言えず、突然過ぎて、自分が茅野君をどう思ってるのかもわからなくて……


すぐに自分の気持ちを伝えることができなかった。


ずるいよね、私。


ごめん……


茅野君はニコッと笑って、でもちょっと寂しそうな顔をしてうなづいた。


「また良かったら、ご飯だけでも」


私は、その絞り出すように言ってくれた誘いにも上手く返事ができなかった。


茅野君の「送ります」の言葉にさえ「1人で大丈夫だから」って、素っ気なくしてしまって。


2人ともいつもの調子じゃなくなって、戸惑いながら手を振って、私はその場から立ち去った。


後ろを振り向けずにいたから、茅野君がどんな顔をしてるのかわからない。


気づけば私、いつもの2倍のスピードで足を進めていた。


マンションに着いてシャワーを浴びたら、わけがわからず涙が出てきて……


少し腫れてしまった目を無理やり閉じて、何も考えないようにして、ベッドで静かに眠った。


その切ない夜は……ゆっくりとふけていった。
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