最高ランクの御曹司との甘い生活にすっかりハマってます
もう部屋の片付けや荷造りもしちゃってるし、今から「嘘でした」なんて言われるのは……キツい。


ちゃんと約束したし、絢斗はそんなこと言う人じゃないってわかってるけど……


「これは自分の妄想じゃないのか?」って、まだ素直に信じられない時がある。


でも……本当、もうここまで来たら信じるしかないんだよね。


ああ……


仕事中だっていうのに朝からこんなフラフラした気持ちで、本当、何やってるんだか。


わざわざ遠方から「グレースホテル東京」に来て下さるお客様のためにも頑張らなくちゃ。


「松下さん、工藤様からです」


その言葉にハッとした。


「あ、はい。ありがとうございます」


ずっとバタバタしてて、あの件、まだ返事してなかったんだった。


私は、茅野君から受話器を受け取った。


「工藤様、おはようございます。代わりました、松下です」


「おはよう。松下さん……ちょっと話したいことがあるんだ。申し訳ないけど部屋に来てもらえるかな」
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