バイオレット・ダークルーラー
自覚
◇
「ねー!御堂くんの次は佑介も来なくなったんだけど!?」
「いやあたしに言わないでよっ。目の保養が続々来なくなるんだけど、なんで…?」
「なんか壱也も休んでるらしーよ?イケメンばっかり来ないじゃーん」
「あのクソ担任に聞いても何も知らないとか言うしさぁ。どうなってんのって感じー」
「壱也なら麗蘭街うろついてるかと思ったけど、今麗蘭街まで行けないし…」
――…消えた。
御堂くん、木島くんに久米ちゃん。
御堂くんはあの日放送室で会った時から、木島くんと久米ちゃんは談話室で話した日から。
(…絶対、何かあった…っ)
そしてふたりと話した日の夜から、麗蘭街へ行ける道が断たれたという。
唯一の手段である地下鉄は貼り紙ひとつ。しばらくの間、終点はひとつ前の駅になりますと書かれていた。問い詰められている駅員さんも理由が分からないようで、見ていてかわいそうになるくらいだった。
紫月さんとも連絡がつかない。
生きていることを願いながら、約束の金曜日を迎えていた――…。