バイオレット・ダークルーラー

自覚








「ねー!御堂くんの次は佑介も来なくなったんだけど!?」

「いやあたしに言わないでよっ。目の保養が続々来なくなるんだけど、なんで…?」

「なんか壱也も休んでるらしーよ?イケメンばっかり来ないじゃーん」

「あのクソ担任に聞いても何も知らないとか言うしさぁ。どうなってんのって感じー」


「壱也なら麗蘭街うろついてるかと思ったけど、今麗蘭街まで行けないし…」



――…消えた。


御堂くん、木島くんに久米ちゃん。

御堂くんはあの日放送室で会った時から、木島くんと久米ちゃんは談話室で話した日から。



(…絶対、何かあった…っ)



そしてふたりと話した日の夜から、麗蘭街へ行ける道が断たれたという。

唯一の手段である地下鉄は貼り紙ひとつ。しばらくの間、終点はひとつ前の駅になりますと書かれていた。問い詰められている駅員さんも理由が分からないようで、見ていてかわいそうになるくらいだった。


紫月さんとも連絡がつかない。

生きていることを願いながら、約束の金曜日を迎えていた――…。

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