医者の彼女
どれくらい経っただろう。
いよいよ呼吸がしにくくなってくる。

私…多分このまま死ぬな。

でも捨てられるくらいなら、いっそ今死んだ方がマシ。

咳も頭痛も酷くなり、だんだん意識が遠くなる。

その時、玄関が開く音がして部屋のドアが開けられる。

和弥「亜妃、ごはんどうし…っ‼︎あき⁉︎」

「…っヒッヒッ…ヒュー…」

息ができなくなってる私をみて慌てて近づいてくる。

和弥「亜妃‼︎しっかりしろ!薬…
はっ?ない⁉︎なんで…ちょ、すぐ病院行こうな。」

「…ヒュー…ヒッ…」

朦朧とする意識の中、どこかに電話をした
和弥さんに抱えられて病院に連れて行かれた。
車が止まったと思ったら慶太さんの声が聞こえた。

慶太「亜紀ちゃん‼︎」

和弥「慶太!」

慶太「なんでここまでに⁉︎
薬飲んでなかったのか⁇」

和弥「いや…残薬が…なくなってた」

慶太「はぁ⁉︎どういう…いや。とりあえず
このままじゃまずい。すぐに処置しよう。」

すぐにストレッチャーに乗せられる。

遠くで微かに和弥さんと
慶太さんが話すのが聞こえるけど
目を開けるのも声を出すことも
指1本動かす事さえもできない…

慶太「呼吸怪しいな…酸素の上がりも悪い。
挿管準備‼︎鎮静かけて」

処置をされ、みんながバタバタとしてい
るのはなんとなく分かったけど、意識はそこで途切れた。
< 142 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop