医者の彼女
呼吸器内科 診察室⑧と書かれた部屋へ入れられた私。

状況がいまいち飲み込めなくて呆然と突っ立っていると

和弥「ここ、座って」

半強制的に椅子に座らされ、目の前には
和弥さんが座って向かい合う形に。

待って、近い…

「あ…あの。色々パニックなんですけど…
こ、これはどういうことなんでしょう?」

近すぎて、気まずくて目が合わせられない。

和弥「騙して連れてきたのは悪かった。でもそれ、
多分風邪じゃないから。…気付いてんだろ?」

「…ない」

和弥「はっ?何⁇」

「か、関係ない…ですよね。…さっきも
言いましたけど、私は長生きしたいわけじゃ
ないので、例えこれが風邪じゃなくて、
死んだとしても後悔はしません。
…そ、それに‼︎瀧さんはフリーターでしょ⁇
なんで瀧さんにそんな事言われなきゃ…」

酷いこと言ってるのは分かるけど止められなかった。

黙って聞いてた和弥さんだけど。
フッと笑って、どこから持ってきたのか…
白衣を羽織った。

和弥「フリーター改め、呼吸器内科医の瀧です。」

…最悪だ。
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