医者の彼女

エピローグ







それから私は数日間入院して、家に帰った。

脳の検査も特に問題はなく、喘息の方も
落ち着いて、退院の許可がでた。

入院中は京介さんがお見舞いに来てくれたり、
慶太さんや正隆さんも仕事終わりに顔を
出してくれたりして、少しずつだけど、
病院に対する恐怖心も薄れていた。

これからは一人で病院にも行けそうだ。
ソファに座ってしみじみと思う。

初めて会った時…怖かったし、嘘つかれてたし、
勝手に病院連れて行かれるし。
最悪な人だと思ってたはずなのに、
今となっては誰より安心できる人。

父親との再会で、もう一緒に居れないと、
自分から離れたのに…
もうここに戻ってくることは無いと
思ったはずなのに…
結局は離れる事かできなかった。
1番大好きなこの場所に帰ってこれた。

ふと隣を見ると愛しい人が居て、改めて
幸せを感じる。

あれから和弥さんは、形だけはきちんと
しておこうと言って、律儀に父親に挨拶に
行ってくれた。

私はもう会いたく無かったし、どうせ他人
なんだからそんな事しなくていいって
言ったんだけど、一応ケジメらしい。

帰ってきた和弥さんの手には手紙が握られていた。
見たくない、捨ててという私にしつこく
渡してくるから渋々読む。
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