医者の彼女
祖父の家に居られなくなった私は、
祖父の昔からの知り合いで、事情を知り、
良く気にかけてくれていた御夫婦の所で
バイトをさせてもらい、保証人になってもらい、
何とか家を借りることができた。

それからは1人で生きてきた。

高校卒業後、就職も考えたが、幸い大学の
入学資金だけは祖父が私の為にと貯めていて
くれたので、奨学金を借りて、なんとか
入れる目処がついた。

大学1年生の時は生活費と学費を稼ぐのに
バイトを掛け持ちしていた。
当時の私はお金だけが信用できるものだと
思っていたから。

しかし長くは続かなかった。
過労により体調を崩し、バイトをクビに
なってしまった。

そんな時、1枚のチラシに目が止まる。
給料が良く、比較的融通が効くガールズバー
の仕事だった。キャバクラで働くのは抵抗が
あったが、ガールズバーならドレスも要らないし、
過度な接客もしなくていいからありがたかった。

それもあって、大学生活も少しずつ楽しむ
余裕が出てきた。


そして無事、20歳を迎えた華の女子大生、2年目。

わたしの人生が少しずつ変わり始める。
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