医者の彼女
和弥「ここに座って。こっから霧みたいなのが
でるからゆっくり吸ってて。
これがなくなったら終わりだから…はい。」

事務的な口調で言われ、少し恐怖心を覚える。

吸入が開始されて最初のうちは近くにいた
和弥さんだけど、私が大人しく吸入してるのを
見てなのか、後ろで別の仕事をし始める。

しばらくすると音がなり、蒸気がとまる。
その音で戻って来た和弥さん。

和弥「変わりないか?」

「…はい。」

和弥「…ならいい。帰る準備しろ」

そういうとどこかに電話をかけ始めた。

和弥「…あ、瀧です。お疲れさまです。
例の患者、診察終わりました。で、今から
休憩もらって、ちょっと外出てきます。
午後の回診遅れるかも知れません…はい。
お願いします。」

恐らく相手は昨日の常田先生だろう。
電話を切ると、一緒に診察室を出て
待合室に連れて行かれる。

和弥「ここで待ってろ。」

それだけ言うと、私の診察カードを持って
どこかに行ってしまった。

10分程たつと白衣を脱いだ和弥さんが戻ってきた。

無言のまま手を引かれるので、大人しく着いていく。

病院を出ると、玄関前に停まっている1台の
タクシーに乗り込む。

乗っていた時間はほんの2〜3分。
すぐに止まると、病院からも見えていた
大きなマンションの前に着いた。
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