結局、和弥さんの仕事が終わったのはお昼近くだった。
急患対応とかでバタバタしてたらしい。
タクシーで和弥さんの家に帰り、お昼ご飯を食べる。
私はどうしても聞きたいことがあって、
勇気を出して聞いてみる事にした。
「あの…ひとつ聞いてもいいですか?」
和弥「ん、何?」
「どうして…どうして、私なんかにこんなに
良くしてくれるんですか?」
和弥「ん?あぁ…何で、かな。」
まっすぐこっちを見るその瞳に吸い込まれるように
目が離せなくなる。
次、何を言うのか。
聞きたいような聞きたくないような。
和弥「自分でもよくわからん。でも初めて会った時に、
こいつはやばいかもって思った。」
「やばい?」
和弥「あぁ、ほっといたら死ぬなって。」
「えっ⁉︎」
和弥「あ、いや。何となく直感だな。
…まぁ結果、俺の直感は正しかったわけだけど。」
「……」
和弥「…ほっとけなかった。」
そう言われて、思わず涙が出る。
初めて人に肯定された気がした。
今まで自分の存在価値が分からなくて、
ずっと1人ぼっちだったから。