Letter from the Starry Sky ―君がくれた世界―
Ketchup



ユウと二人で作った料理は中々食べ終わらなかった。

広い冷蔵庫の中に数個だけぽつんと置かれたタッパーは逆に酷く目立ち、兄や父が気付かない筈もなかった。だけど彼らがそれを口にする気配もなかった。
尤も、冷蔵庫を開かなければそれに気付くこともないのだが。

冷蔵庫を開ける度に減らないタッパーの中身を見て、何故か少し心に穴が空いたような、そこから何かが漏れ出ていくような、自分でも良く分からない感覚になる。

そしてまたようやく冷蔵庫が空になる頃には、そんな感覚すら無くなっていた。



「今日ウチ来いよ」



隣でユウが言う。

あれから、心配だからとほぼ毎日迎えに来てくれている。いつものように別にいいのにと言ったら今回ばかりは酷く叱られた。


『お前なあ、もう少し自分に興味持て。いくらなんでも今回は駄目』


その時の彼の顔はとても真剣だった。あまり見せないその表情に圧倒されて、私はいつの間にか頷いていた。

勿論ユウだって毎日迎えに来れるわけではないから、そういう日は学校などを出る時と家に着いた時に彼に連絡を入れることになっている。

何だか保護者みたい。

っていうか、「自分に興味持て」ってユウに言われたくないんですけど。



「え?」


「一緒に飯食いてえの。駄目?」


「あ、いや。いいよ」



素っ気なく返事をした私だけど、本当はまたあの日のようにユウと食卓を囲みたいと思っていた。



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