もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
記憶の中の自分
家に入っても、恭は茶の間の仏壇に向かって手をあわせてから自分の部屋へ向かってしまった。

昨日の恭とは全く違う・・・


私は手を洗ってから台所へ向かった。
夕飯を作ろう。

これだけでも前と同じようにしたい・・・。

「俺、何か作るから休んでて」
嶺がそう言って私の肩に手を置く。
「大丈夫です。」
「でも体、かなり熱いから。」
「大丈夫です!」
嶺の手を払いながら思わず口調が強くなってしまった私。
嶺はそんな私に少し驚いてから、「ごめん」と困ったように笑って客間へ行ってしまった。

なにやってんのよ・・・私・・・
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