イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
7. ハーフタイム
「……で、それから毎日一緒に帰ってご飯食べて、週末はデートしてるわけね?」
ほの暗いバーのテーブル席。
向かい側から意味ありげな視線を寄越すロングヘアの美女を、むぅっと睨んだ。
「ま、毎日一緒には帰れないよ。彼は残業や接待もあるし……そういう日は彼」
「彼?」
「……仕事帰りにうちに寄って……ご飯を食べていきます」
もごもごと、うつむきがちにつぶやいた。
だって仕方ないじゃない?
接待で外食した日も、飲んでばかりでろくに食べた気がしないって言うんだもん。
だから、軽めのものを用意したりして。
その中で知ったのだけど、実は坂田くん、最近ではもうかなりお酒が飲めるんだって。
つまり、わたしのやったことは、完全なる余計な(無駄な)お節介ってこと。
あんなことしなければ、今こんな状況にはなってなかっただろうなぁ……
「つまるところ、毎日会ってるってことで、間違いないかな?」
ちょいちょい、とつつかれて、遠い目をしていたわたしは我に返り、
「……う、……そう、かな」と曖昧に頷いた。
まぁ……会ってるよね、毎日。
しかもほぼ毎日、社内のどこかに呼び出されて、“禁煙証明”と称してハグされてたりして。
恥ずかしくて、これはちょっと言えないけど。