俺様幼馴染の溺愛包囲網
たまたまその場に居合わせた私は、
ただただ呆然としていた。

ほんの少し、胸がチクッと痛んだけど…。

でも、めちゃくちゃお似合いなのだ。
そりゃ、亮平も頷いちゃうよね。

周りの目が、なぜかこっちを向いているのが気になったけど。

別に私は亮平の保護者じゃないのよ?

親友の真奈美にも

「なにあれ!ルール違反じゃん!
結衣子いいの?」

いいもなにも、もう頷いちゃってるじゃん。

「まあ、高校生になったんだから、
そろそろいいんじゃない?
部活ばっかで、色気ないのもねぇ。」

なぜか真奈美の呆れた目。

「あんた……。
それ、姉の意見よね。」

マジか…、とぶつぶつ言っている。

なんなんだろう?

私だって、そろそろ彼氏が欲しい。

ずっと内部進学で、あまりにも変わりばえのしない周囲の状況の中、出会いもないのだけど…。

亮平に先を越された様な気分で、
ちょっと悔しかった。

「まあいいわ。
どうせあれ、長続きしないわよ。
亮平、すぐ振られそう。」

となぜか不吉な予言をして、
教室に入って行った。




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