君にとびきり甘い“愛してる”を。
○社長の想いびと

「莉子ちゃんしか考えてないよ。」




田中さんにメールのやり方を教えてもらい、また書類作成をやって……。


「木森さんお疲れ様。」

「……え?」

「すごい集中してたね? もう終業時間だから帰るよ」


(……もう、そんな時間だったのか。さっき時計見た時はまだまだ30分はあったはずなのに。)


時間はあっという間だ……。


「俺、先帰るわ〜お疲れ様」

「あ、はい……お疲れ様でした!」


無事1日が終わって帰れると思ったのに、いつ来たのかわからないけど……社長がいた。


「莉子ちゃん、初日お疲れ。」

「あ……お疲れ様です、社長」


(いつのまに……なんで社長がいるの。しかも、社長はあまり来ないと思われるオフィス階に。)


「社長だなんて余所余所しいじゃん……昔みたいに、名前で呼んでよ」

「……いやいや、なんでですか……」

「そんなの決まってるよ、莉子ちゃんは“彼女候補”だから。」


……は?
彼女候補? 何それ……。



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