恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
therapy5

美崎綾香side







いつものように出社し、自分のデスクに鞄と、途中のコンビニで買ったカフェオレを置く。さぁ今日も頑張るぞと小さく背伸びをした時、珍しく自分よりも一足遅く出社してきた沙和を見て、美崎綾香は目をむいた。

「あ、おはよう綾香~・・・」

「え、沙和どうしたの!?」

まだ一日が始まったばかりだというのに、まるで長時間の残業を終えたばかりかのようなヘロヘロ具合。目の下にくっきりと現れたクマ。

明らかに肩で息をしている沙和はどこからどう見ても普通ではなかった。



「ちょっと沙和、あんたなんで朝っぱらからそんなに疲れてるの?」
「え、そう?今日、初めてタクシー使って出社したからかな・・・それと、会社のエレベーターも久々に乗ったし」


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