虹色のキミへ,最愛のエールを。

幸せが罪に

あの時の私は,まだ知らなかった。

幸せは儚く,脆く壊れてしまうことを。

そして私にキバを剥くことを。

♢♢♢

ジリリリリンと朝から騒々しい音がする。

「桜《さくら》起きなさい!」

そして,お母さんの大きな声。

うるさいなぁ。まだまだ寝てたいのに。

「学校,遅刻するわよ!」

その声にようやく私の脳はクリアになっていく。
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