諦めて結婚いたしましょう～一途な御曹司の抑えられない独占欲～

エピローグ

　以前は好きだと言い、俺のまわりでさんざん騒いでいた婚約者の静菜。

　その静菜が、すっかり大人しくなってしまった。

　――静菜と想いが通じ合ってから、早いもので半年以上が経っていた。

　あれから古城社長に知り合いの信用できる経営コンサルタントを紹介し、俺も外部のサポーターとして積極的に事業分析をして、成長戦略の見直しにも参加した。

　グローバル市場での企業間戦争の激化など、企業を取り巻く環境は日々変化している。

　製品にも経営にも古き良きを大切にしていたコクリョウだったが、既存の商品を残しつつ、時代に合わせた新しい製品の開発を進めることで、数字的にも回復の兆しが見込めてきたところだ。

　あとは時間をかけて、組織や業務の変革を行っていけば安心だろう。