俺のボディガードは陰陽師。~第二幕・幸福論~

おペン様辻斬り事件?

★★★







何が起こってるのか、わからない。



会いたいと、願ったワケではない。

むしろ…劣等感で自分の中がいっぱいになるから、会いたいとは思ってなかった。



けど、一度は好きになった女。

精一杯、大切にしていた女性の姿がそこにあった。



でも、何で…?

何で、薫がここに…!



「じゃあ、お二人で仲良く?」

「…ちょっと待って!」



そんなセリフを吐いて、一人向こうに行こうとする兄貴を咄嗟に捕まえる。

お二人で仲良く?だぁ…?

…どの口が言う!



そこにいる薫を気にしながら、その声が聞こえないように小声で兄貴にもの申す。



「な、何で薫がここに?!兄貴が呼んだのか?!」

イラッとした勢いで問い詰める俺に対し、兄貴は「ははっ」と笑う。

「いやー?じいさんでしょ?昨年、最新設備のガン健診、彼女の父親のところで受けてたからじゃない?招待客リストちゃんと見ないと?」

「なっ…!」

うっ。ちゃんと最後まで見ればよかった。

わかっていたら、見つかる前にさっさとずらかったのに!


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