闇の中の太陽
2

忌子

『おい、逃げるな!』

『おまえは、いらない子なんだよ』

違う、違うそんなことない。私は、私は、
違う。
いつか父親が迎えに来てくれる。

お父さん、お父さん助けて!

向こうに人影が見える。お父さんだ!

『お父さん!やっぱりお父さんだ!私だよ。娘の美蘭だよ!』

『美蘭?あぁ美蘭か。』

『そうだよ!覚えててくれたんだね。』

『おまえなんかいらなかったのに。俺はおまえの母親を愛していて、おまえなんかいらないんだよ!』

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ

違う違う違う違う

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

「嫌だー」

なんだ夢か

頰が濡れてる。

泣いてたんだ。

珍しい
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