一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「咲綾は泣き虫だな」
それはあなたの優しさのせい。
そんな事は言えず、私はただ目の前の真翔さんのシャツをキュッと握りしめる。

ねえ? どうして私達にこんなに優しくしてくれるの?
どうしてこんなに私の心を乱すの?

ねえ? 真由はあなたの子だよ。
そう言ったら……あなたはどうする?

私のこと……どう思っているの?

言葉にはできるはずもない思いをを心の中で呟きながら、私は真翔さんを見上げた。
そんな私に、真翔さんの瞳が揺れたような気がしたが、気のせいだろうか?すぐにまたいつも通りの柔らかな笑顔を私に向ける。

「咲綾……おやすみ」
「おやすみなさい」
初めて言ったおやすみなさいは、なぜか少し切なく感じた。

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