一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています


確かに毎日自転車をこぎ、必死に通勤していたことを思えば、体も楽で、集中して仕事もできたし、真由との時間もゆっくり取れていた。

それに真翔さんは忙しく遅い日もあるが、早く帰った日は真由と遊んでくれたり、休日は公園に連れて行ってくれたりする。

そして子供はすごいということがわかった。すぐに真翔さんとの生活に順応し、当たり前のように生活をしている。

しかしそのことが、最近怖くなってきた。
今はまだ幼い真由だが、すぐ近い将来、なぜ自分には父親がいないのだろうと疑問に思うだろう。

その時、真翔さんの存在をどう思うのか。

そう、この時間が永遠に続くわけもない。
今の幸せな生活があたりまえになってしまえば、私達親子は元にもどれなくなってしまう。

なるべく早く元の生活に戻らなければ……。

そんな時、メッセージを知らせる音がなり、私はスマホに視線を向けた。

「もうすぐ帰るよ」
真翔さん律儀な性格で、きちんと毎日連絡をくれる。
私が帰った後ももちろん仕事をしているのだが、帰って来る時に必ずこうしてメッセージが来る。
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