私に問いかけたかもわからないほど、真翔さんも呆然として言葉を発した。
当たり前だろう、急に子供がいたなんて言われたらどんな人でもパニックだ。

「言うつもりなかったのに」
言いたい気持ちもあった。信用したい思いだってあった。
でも……。
もう考えることもできず、私はただ言葉を発していた。

「……どうして?」
かなり低くなった真翔さんの声に気づいたが、もうどうでもよかった。

「捨てられた男の人に何を言うの? ましてや大村グループの御曹司? そんなこと知ったらお金目当てかとでもいわれそうじゃない。証拠はあるのか?そんなこと言われたらどうにもならない」
私はもう自虐的な言葉を止めらなかった。

「俺の周りにはそんな女ばかりだって言ってたじゃない。言える訳じゃないじゃない。手切れ金だけで私を捨てたくせに! あの時の私の気持ちなんてわからないでしょ? どれだけ辛かったか。運命だって思った人にお金で済まされて、両親にも見放され、一人で真由を産んで、2人だけで生きてきたのよ! 真翔さんなんて大っ嫌い……」

堰が切れたように溢れた言葉を止められずにいると、かなり強引に真翔さんに引き寄せられ抱きしめられる。

その力強さと真翔さんの震える手に気づき、驚いて言葉を止めた。

「咲綾。ちょっとだけ黙って」
小さく耳元で響いた声は、明らかに震えていた。